海洋深層水は地球の両極付近で生まれ、永い歳月をかけて地球をゆっくりと循環します。室戸海洋深層水は遠く北太平洋から巡ってきたもので、光の届かない深海の流れ(無光層)が室戸沖の陸棚にあたり、海面近くへ上昇する湧昇流に乗って運ばれてきます。
 海洋深層水は海面近くにある「表層水」とはいくつかの異なった性質を持っています。海面表層では太陽光により植物プランクトンなどの光合成が活発に行われますが、十分な光が届かない深層では光合成はほとんど行われません。このため、深層水は有機物量が少なく、また陸水の流入も少ないことから、病原菌や化学物質による汚染が非常に少ないのが特徴です。さらに、水圧30気圧下で永い年月を経て熟成された海水であること、また、年間を通じて低温(10−15℃)で安定していることなど、海洋深層水の特徴は様々な分野で活用の可能性を秘めています。
 そんな海洋深層水の取水地・室戸岬から、車で約30分という絶好のロケーションは、当社独自の深
層水研究を大きく進展させました。
 
 
 私達はまず、海洋深層水の持つ高い熟成度やその清浄さに注目し、ゆずリキュールの味わいについての研究をスタートさせました。爽快さが好評の自社焼酎に、地元土佐東部の特産品である「ゆず」、そして「はちみつ」を主原料に、海洋深層水の原水と脱塩水(逆浸透膜処理水)のミネラル量に注意しながら、それらの組み合わせを少しずつ変化させて試作し、きき酒を繰り返します。まるでジグソー・パズルのような研究を繰り返す中で、ようやく満足のゆく「味わい深くまろやかな」製品の開発に成功しました。
 おかげさまで、一度飲まれたお客様からは「最近はいろいろ出てるけど、土佐鶴のゆず酎が一番美味しい」とご好評いただいておりま
す。
土佐のゆず酎
(深層水配合)
0.72L
 
 
 次に行ったのが本格焼酎への活用です。これまで培ってきた技術に海洋深層水をどのように融合させるか、そんな中で、メインテーマとしたのが深層水の発酵促進効果を活かす「低温発酵方式」と「その方式に適正の高い焼酎酵母の育種」でした。塩濃度を様々に調整した仕込水を使い品温を変えて発酵試験を繰り返すととともに、深層水を添加した培養試験で焼酎香気製成能の高い酵母を選択しました。開始して約2年、基礎実験からパイロットスケール試験を繰り返し、ようやく求める香りの"焼酎モロミ"にたどり着くことができました。蒸留方法にも一部手直しを加え、さらに香りの芳醇さを損なわずに豊かなコクを引き出す脱塩水での割水テストを終え、ようやく新世紀を切り開く焼酎「龍馬の海援隊」を商品化しました。柑橘系との相性が抜群とのお声も多く、販売地域の広がりとともに、皆様から高い評価が寄せられています
龍馬の海援隊
0.72L
 
 
 海洋深層水の応用面で、最も注目したのはやはり清酒醸造でした。しかし、当社にとって清酒は二百年以上の技術背景があるため特別な慎重さが必要でした。
 一般には海洋深層水を単純に仕込水として使った商品が多いようですが、当社は特に清酒酵母への効果に注目しています。すなわち、海洋深層水は太古より生命を育んできた水ですから、酵母の生理活性にも良い影響を及ぼすのではないかとの視点です。
 これまでの研究により、海洋深層水を培養や仕込みに使うとモロミの泡の高さが増して醗酵が進み、その酵母の本来持つ特性が十分発揮される確率が高まることがわかりました。また、できあがった酒質も、味、香りともに品質設計に沿うものであり、完成度の高いものについては順次商品化いたしております。
 より美味しいお酒を造りたい。その願いを叶える一つの手段として「海洋深層水」を捉え、これからも実質本意でその様々な可能性を広げてまいります。
 
   
  酔って候 本醸造
0.72L・1.8L